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なぜ人は継続できないか

日付:2019-12-31 カテゴリ:雑記
ブログにしろ日記にしろ始めたころはモチベーションもあり、ずっと続けられる気がするのに何故か3日坊主(酷い時は1日坊主)で終わってしまって継続できないのは何故だろうという話。
勉強や読書になるとさらに続けられなくなる。

住岡夜晃という人は以下のような言葉を残しています。

性格の弱さ悲しむなかれ
性格の強さ必ずしも誇るに足らず
「念願は人格を決定す 継続は力なり」
真の強さは正しい念願を貫くにある

住岡夜晃 1895-1914 詩人。僧侶。「継続は力なり」の語源となった詩の作者。

わざわざこんな言葉を残すほどなのだから”継続”というのは当たり前のことではなく、難しいことだというのは分かる。
継続することの良さは分かるのに何故できないのか。
意志力の弱さに嘆くだけでは解決しないので少し調べてみた。

目次
1.過剰行動と不足行動
2.動機づけの話
3.学習性無力感
4.まとめ

過剰行動と不足行動


・過剰行動・・・回数を減らしたい行動。
・不足行動・・・回数を増やしたい行動。

これだけだとよく分からないので例を出すと、過剰行動というのはゲームやネットなどの無駄な行動のことを指す。
継続したくなくてもついつい手を出してしまう行動ともいえる。俗に言う誘惑というやつ。
先に例に出したゲームなどのように一般的に過剰行動はよろしくない行動が多い。

不足行動は過剰行動とは逆で、目標となる行動である。例えば勉強を毎日続けるや読書を続けるなどのような行動を指す。
本人が継続させたいと思っているのにできていない行動である。
継続を達成するということは即ち、不足行動の継続と言い換えることができる。

で、まあこのあたりの内容は検索すればアフィリエイトブログで反吐がでるほど出てくる。
アフィリエイトにとって継続は命綱みたいなもんだからね。

毎日の自分の意志で行うあらゆる行動(食事などの生理的行動は除く)を不足行動と過剰行動に分けて分析するのがいいらしい。
例えば「勉強を毎日続ける」というのを目標に設定したとき、これを達成するためには以下のような不足行動と過剰行動が考えられる。

不足行動・・・机に向かう。ノートを広げる。ペンを持つ。
過剰行動・・・ゲーム、ネット、スマホ、ゲーム、ゲーム、ゲーム、睡眠・・・etc

ゲーム減らして勉強しろだって?当たり前じゃねえかボケ、と言いたいところだけど過剰行動よりも不足行動の分析のほうが大事なのね。
ポイントは勉強するという目標のためにしなければならない行動を小さく分解していくことなんですよ。

「勉強する」にはいろんな行為が含まれている、しなければならないことが多い、だからどうしても億劫になってしまう。
ハードルが小さな不足行動を増やしていくことがまず大事。机に向かう回数を増やす、ノートを広げる回数を増やすなど。
個人的にこれはかなり有効な方法だと思う。

動機づけの話


動機づけ・・・行動の始動、目標、維持の元。いわゆるモチベーション。
-生理的動機づけ・・・生存や種の保存のために生物に備わっている原初的欲求(食欲、睡眠欲、性欲、排泄、痛みの回避)
-社会的動機づけ・・・他者との関係性の中で生じる動機づけ

継続にはモチベーション維持は必須なのです。という訳で動機づけの話。少し専門的。
社会的動機づけはさらに以下の3つに大分される。

-達成動機づけ・・・社会・文化的に高い評価となる事象に基づく動機づけ(学歴・所得・受賞など)
-外発的動機づけ・・・外部から与えられる動機づけ(報償や罰)
-内発的動機づけ・・・個体の内部から生じる動機づけ(興味や好奇心)

この分類が的確かという議論はひとまず置いておく。
達成動機づけは行動の始動・目標の機能的要素が強い。
外発的動機づけと内発的動機づけは行動の始動・維持の機能的要素が強い。

一般的に言われるモチベーション維持とは内発的動機づけの維持を指しているのではないかと思う。
しかし現実的に興味や好奇心を維持させるのは難しい。だから行動が続かないのだ。
では内発的動機づけど同じ機能をもつ外発的動機づけに頼るという方法が思いつく。人やご褒美や罰に弱い。

・オペラント条件づけ・・・行動と強化子との随伴性を学ぶこと(能動的な学習)
(強化子:行動の誘因となるもの  随伴性:事象発生間の関係性)

バラス・スキナーによるマウスを使ったスキナーボックスでの実験が有名。
→スキナーボックス(強化子:エサ 随伴性:レバーを押すとエサが出る)
→マウスは何度か試行錯誤するうちにレバーを押すと餌(報酬)が出るということを学習する。

オペラント条件づけとは報酬や嫌悪刺激(罰)に適応して、自発的にある行動を行うように、学習することである。
これ以上は長くなるので割愛するとして外発的動機づけが効果的であるという一つの例であると思う。

バラス・スキナー 1904-1990 オペラント条件付けの研究者。アメリカ合衆国の心理学者で行動分析学の創始者

オペラント条件づけ自体は単純な理論なのだが、行動分析学の基礎になっている。

・シェーピング・・・複雑な行動を学習させる際に使われる技法で、全体の行動をいくつかの単純な行動に分割して、個々の行動をオペラント条件づけで学習。

まあつまり先に述べた不足行動の分析は行動科学的にはシェーピングに近い行動だと言える。
個々の不足行動に外発的動機づけを割り当てればモチベ維持できそう?

学習性無力感


学習性無力感・・・無力感で行動を起こさなくなるのは、自分が起こす行動に意味がないことを学習することが原因である
→行動と結果に対して非随伴性を認知してしまうことで無力感を引き起こす。

ブログを投稿しても誰も見てくれない、やる気なくした。まさに学習性無力感である。
成功するところをイメージしすぎてイメージ通りにいかなくてやる気をなくすというのも学習性無力感かもしれない。
実はこの無力感はオペラント条件づけで解決できる。随伴性を認知すればいいだけ。
外部からの評価の影響が大きいので傷をなめあえる仲間を見つけるのはいい方法かもしれない。

あと捕らぬ狸の皮算用は危険。世の中そんな甘くないので成功するイメージを描き過ぎるのはいくない。(多少はモチベ維持に役立つかもしれないが・・・)
イメージよりも実際の成功体験を積み重ねるのが大事。

一人でもできることとして勉強した成果を記録する、読書のページ数を記録するなどの記録する行為はこの学習性無力感に対抗できるのではないか。
記録によって自分の成長が認知できれば無力感からは解放されるはず。
話逸れるけど成長しないやつはやり方に問題あるからそれは見直す必要ある。

まとめ


他にも習慣化の話とかいろいろ書けることはあるけど最初から飛ばしすぎると後悔しそうなので辞めとく。
長くなってしまったけど律儀に最後まで読んでくれた人はきっとうまくいく。
てか一つの記事を無駄に長くしてしまうのって過剰行動なんじゃね。これは続かない気がする。

行動科学はハマると楽しい。特に行動科学で取り扱われるような実験は面白いものが多い。またいろいろ紹介していきたい。
現実は理論ほどうまくいかないんだけどね。

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